よむ・みる・わかる・役に立つ!ねじソムリエの「ねじのちょっといい話」
巻いたり、締めたり、緩めたり…。普段何気なく使っている「ねじ」だけれど、ねじにはどんな種類があるのか、どんなはたらきをしているのか、となると案外「?」となる人も多いのでは。そこで、「ねじソムリエ」の登場です。ねじについての基本の「キ」から、ねじにありがちなトラブル、ねじの正しい選び方など、読んで役立つねじのアレコレを「ねじソムリエ」がわかりやすく解説します。
よむ・みる・わかる・役に立つ!ねじソムリエの「ねじのちょっといい話」
Part 1汝らは産業の塩なり、という話
「汝らは地の塩なり」とは『聖書』の言葉ですが、モノづくりの世界で「産業の塩」と呼ばれているもの、それがねじです。塩が食生活に欠かせない必需品であるように、ねじもまた、産業、ひいては私たちの生活に身近で欠かすことのできないものということでしょう。
ねじの起源には諸説あり、巻き貝をヒントに作られたという説もあれば、木に巻き付く植物をヒントに作られたという説もあります。起源が明らかではないほど、何世紀も前から私たち人類の生活に欠かせないもの、それがねじだったのです。
ねじ業界は、著しく分業化の進んだ業界です。ボルトメーカー、ナットメーカーごとに、作ることのできるねじのサイズが限られていることが多く、どんなものでも作ることのできるメーカーは存在しません。そこで重宝されるのが、様々なねじを取り扱う専門商社です。
私たち株式会社リネックスは、規格品から特殊品まで、あらゆる工業用ファスナーと機械要素部品を取り扱う専門商社として、国内外20事業所のネットワークで事業を展開。開発提案型商社として、製品の設計・開発段階から問題解決に取り組んでいます。その強みは、50年の歴史の中で築き上げたサプライヤーとのつながり、豊富な経験とデータの蓄積にあります。そうした強みを活かし、ユーザーのみなさまの様々な要望や課題を引き出し、解決に導いています。
Part 2八面六臂の大活躍、という話
ねじにはどんな【はたらき】があるのか、考えてみましょう。すぐ思いつくのは、モノとモノを締結し固定する役割、つまり「固定する」というはたらきです。ねじのはたらきとしてはこれが圧倒的に多く、大半を占めています。次に多いのが、ビルなどの建造物で配管を「接合する」というはたらきです。このほか、テントなどに使われるワイヤーを引っ張り「緊張させる」はたらき、タイヤ交換などに使うジャッキの「大きな力にする」はたらき、かき氷機での「圧縮する」はたらき、ペットボトルのキャップなどの「密閉する」はたらきがあります。また、みなさんの生活では馴染みが薄いかもしれませんが、マイクロメーターなどの計測器の「測定する」はたらき、顕微鏡のテーブルの「移動する」はたらきは、回転した分だけ進むというねじの特性を利用したものです。
Part 3ねじのオス・メス、という話
一般的にねじと表現されるものは、大きく分けて2種類に分類されます。それが「おねじ」と「めねじ」です。
ドライバーなどの工具を回すためのくぼみがつき、軸にねじ山が作られているのが「おねじ」です。一方「めねじ」は、穴にねじ山が作られており、おねじとめねじの二つを合わせて使うことで、物を締結することができます。
ねじのサイズを表す場合には、おねじは外径、めねじは内径と表記している箇所の大きさで表します。ねじのサイズをメートル法で表すメートルねじ(M)が一般的ですが、イギリスで開発されたウィットねじ(W)やアメリカで開発されたユニファイねじ(UNC)などのように、基準とする規格が異なるインチねじ(1インチ=約25.4㎜)もあります。
規格以外に注意が必要なのが、隣り合うねじ山の頂点と頂点の間隔(ピッチ)です。ピッチが異なるおねじとめねじは、大きさが同じように見えても締結することはできません。このピッチは人の目では一見同じように見えてしまうほど、確認が難しく、並目と細目と呼んでサイズを表します。ピッチが同じねじを使うことで、おねじとめねじが嵌め合い、締結することができます。
参考文献
- 1)
- 大磯義和:ねじ・機械要素が一番わかる,技術評論社,2011年
- 2)
- 門田和雄:絵とき「ねじ」基礎のきそ,日刊工業新聞社,2007年
- 3)
- プレーティング研究会編:絵とき「めっき」基礎のきそ,日刊工業新聞社,2006年
- 4)
- 日本規格協会編:JIS ハンドブック4-1,ねじⅠ
- 5)
- 日本規格協会編:JIS ハンドブック4-2,ねじⅡ